KITERETZ

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100回の参加より1回の登壇

2017 12 25 / Kite

この記事は「登壇者 Advent Calendar 2017」最終日の記事であり、キテレツブログ最初の投稿でもあります。みなさん、メリークリスマス。

最終日であるがゆえに、タイトルが早々にネタバレしてしまい、僕の言いたかったこともほぼ出尽くしてしまったと感じています。とはいえ、僕が登壇者として経験してきたことについていろいろ書きたいと思います。

自己紹介

初めての投稿ということもあり、まずは自己紹介をさせていただきます。

カイトと申します。本名です。パスポートでのスペルが Kite なので、飛行機のチェックインでは毎回キテさん?と言われます。

高校一年の途中でアメリカのシアトルにピアノを学ぶために渡り、2年間ほど留学したところで休暇のため日本に帰国するも、9.11テロ直後ということもあり、アメリカに戻れなくなってしまいました。しかし日本ではまだ高1のままだったので、仕方なく当時の「大検」、今でいう「高認」を取り、なんとか大学に入学しました。

大学在学中にアパレル会社を設立し、表参道にも店舗を構えていたが、大学卒業後に個人的な理由で会社をやめ、関西に移住しました。制作会社にてグラフィックデザイナー、ウェブデザイナー、プログラマ、クリエイティブ・ディレクターなどを経て、再度株式会社キテレツとして独立しました。

仕事である受託制作以外では、失恋.jpというユーザ投稿型のサービスを作ったり、Wocker という WordPress の高速開発環境を開発したり、WordCamp Kansai 2015 の実行委員長を務めたり、WordPress, Ruby on Rails, React などにコントリビューターとして名を連ねたりと、活動してきました。

こうした活動の甲斐もあり、WordPress コミュニティを通じて、深沢さん、安藤さん、岡本さんと、4人で『世界一わかりやすい WordPress 導入とサイト制作の教科書』を書かせていただきました。

登壇歴

これまでの登壇歴について、自分的に興味があったのでまとめてみました。

こうして見てみると、実にさまざまなコミュニティや勉強会で、いろんなテーマについて話してきました。初めての登壇はスライドも作っていなく、飛び入りで失恋.jpについて LT をしました。それを皮切りに4年間で覚えているだけで40回以上も登壇しました。

登壇がもたらしてくれること

さて、なぜ僕がこんなにも登壇するようになったのかについてお話しましょう。

自分が一番勉強になる

これはもはや言わずもがなですが、それでも言います。

僕はわりと多岐にわたったテーマについて登壇してきたと、自分自身では思っていますが、すべてにおいて専門家であるわけではありません。もちろんどれも興味のあるテーマに間違いはないが、登壇が決まってから詳しく調べたり、試したりすることも多々あります。自分をこの状況に置くことで、新しいものに触れる機会は確実に増えました。

さらに、たとえ自分が普段やっていること、あるいは馴染みのあることだとしても、ほかの人にわかるように伝えるためには、情報を整理し体系立てて説明する必要があります。この作業によって、より正確に知識を記憶したり、実はわかっていなかったことを発見できたりします。僕は雑学が好きで、新しい雑学を仕入れるとなるべく人に話すようにしています。それは知識をひけらかしたいわけではなく、なるべく忘れないようにするためです。

セルフブランディング

どんなにすごいことをしているとしても、知ってもらわなければなにも始まりません。セルフブランディングこそ本当に100回の参加より1回の登壇なのかもしれません。ほかの参加者に自分を知ってもらうには、懇親会などで名刺を配りまくるより100倍効果があると思います。僕の場合、量子について説いて回ってる人、「変態的 CSS トリック」の人、WordPress コアを写経している人などのキーワードによって、認識してもらえるようになったと思います。

こうしたセルフブランディングのおかげで、仕事の依頼は確実に増えました。キテレツとして独立してから、直接の売り込みを一度もしたことがありません。自社プロジェクトに取り組んだり、イベントや勉強会で登壇したりすることが弊社の営業の一部です。それがしっかりと実を結んでいることも実感しています。

向上心の維持

登壇がうまくいくと、次はもっとうまく話そうとか、もっとすごいことをしようとか思うわけです。ずっと同じネタでは飽きられてしまうので、新しいことに挑戦するモチベーションにもなります。

一方、登壇が思うようにいかなかった場合、次はもっとこうしようとか、もっとここを強化しようとか、自分の弱点と向き合うきっかけを与えてくれます。

自分だけでは、モチベーションをキープすることはなかなか難しいですが、他人の目があると自然とがんばろうとする意識が高まります。

登壇に期待してはいけないこと

登壇はいいことをたくさんもたらしてくれますが、すべてを叶えてくれるわけではありません。

経済的収益

これまで登壇してきたイベントや勉強会の多くは報酬が出ないものでした。中には報酬をいただけるイベントもあったし、現在デジタルハリウッド大阪校にて講座も担当しています。決して報酬が出るイベントには出ないポリシーではありませんので、有料セミナーの運営者様、いつでもお待ちしております。

しかし、基本的なモチベーションはやはり自分の経験、思い、あるいは考えの共有なので、報酬については特に気にしたことはありませんでした。むしろ、ポーランドで開催された WordCamp Polska 2015 のように、登壇するための旅費を自己負担する場合も多いので、経済的には完全にマイナスです。登壇だけで収益を上げようと思うと、本業にするか、よっぽどの有名人にでもならないかぎり難しいでしょう。

心理的、時間的余裕

一度や二度の登壇であればさほど仕事や私生活には影響しないでしょう。しかし一年間で10回以上の登壇ともなれば、ほぼ毎月登壇の準備に追われることになります。

多くの方はスライド作成には既存のテンプレートを利用したり、自身のフォーマットを用意していたりしますが、僕はいつも同じ服を着るのが嫌いなように、基本的に毎回スライドのデザインを変えています。

しかし、たとえネタの再利用だとしても、まったく準備が必要ないケースはあまりないでしょう。最新情報を盛り込んだり、コミュニティや参加者に合わせて内容を変えたりする必要があるでしょう。

ソーシャルメディアでの影響力

たくさん登壇すると、ある程度は知名度も上がり、ソーシャルでの影響力も多少は増します。しかし、それはやはり限定的です。僕のフォロワー数がそれを物語っています。勉強会であれば20〜30人、多くても50人程度で、500人規模のイベントだとしても、直接話を聞いてくれるのはせいぜい200人ぐらいでしょう。もしソーシャルでの影響力をつけたい場合は、直接ソーシャルメディアでセルフブランディングした方が格段に効率的でしょう。

登壇者になるには

ここまで読んでわかるように、海外イベントにでも登壇しないかぎり、大きなリスクはほとんどありません。むしろ期待値のほうがはるかに高いので、まだ登壇したことがない方は挑戦しない理由がありません。

どのように登壇者になるのか?簡単です。Doorkeeperconnpass などで登壇者を募集している興味のあるイベントを見つけて、登壇者として登録するだけです。あとは嫌でも当日を迎えるだろうし、どうにかなります。不安な方は主催者や参加者に初登壇という旨を伝えればきっとフォローしてくれますし、温かい目で見守ってくれます。もしくは飛び入り LT 歓迎の勉強会に出会った際、スライドを用意していなくてもいいので、ご自身について話してみてはいかがでしょう。

お役立ちツール

登壇の準備やプレゼン時に役に立つツールをいくつか紹介します。

スライド作成ツール

Keynote

Mac の定番プレゼンテーションソフトウェア。これ以上語る必要がないぐらい、Mac ユーザであればとりあえず Keynote から始めれば問題ないでしょう。

Microsoft PowerPoint

Windows の定番プレゼンテーションソフトウェアですが、Mac 版もあります。こちらもこれ以上語る必要がないでしょう。

Adobe Illustrator

Adobe が提供しているベクターイメージ編集ソフトウェアですが、DTP 業界のデファクトスタンダードというだけあって、数少ない縦書きに対応しているツールです。

Adobe InDesign

Adobe が提供している DTP ソフトウェアですが、スライド作成にも利用できるよう進化しました。こちらも数少ない縦書きに対応しているツールです。

Sketch

Mac 専用のベクターイメージ編集ソフトウェアですが、web や UI デザインに特化しています。スライドの作成にも便利。

スライド共有サービス

Speaker Deck

GitHub が提供しているスライド共有サービス。

SlideShare

LinkedIn に買収されたスライド共有サービス。

スライド作成 & 共有サービス

Google スライド

Google が提供しているウェブ & モバイルプレゼンテーションアプリケーション。完全無料。

Dropbox Paper

Dropbox が提供しているドキュメントの共同編集ツール。プレゼンテーションモードがあります。

HackMD

Markdown で編集できるクロスプラットフォームのオンラインコラボレーションノート。スライドモードがあります。

Qiita

日本発の技術情報共有サービス。スライドモードがあります。

GitPitch

GitHub, GitLab, Bitbucket のリポジトリを簡単にスライドとして公開できる無料サービス。記述方式は Markdown 。

プレゼンツール

コクヨ フィンガープレゼンター 黒曜石

スライドのページ送りに特化した指輪型プレゼンツール。プレゼン用のガジェットは黒曜石しか使用したことがないが、これまで特に不満を感じたことがないのでおすすめです。

クリスマスプレゼント

ここまで読んでいただきましてありがとうございます。少しでも登壇してみようかなと思ってくれたら大変嬉しく思います。そういう方を少しでも後押しできればと、クリスマスプレゼント企画を行います!

これまで登壇したことがない方が、この記事を読んで2018年に登壇が決まった場合、先着で1名様に「コクヨ フィンガープレゼンター 黒曜石」をプレゼントします!

僕のソーシャルアカウントは下記です。連絡方法はなんでもかまいません。

Facebook, Twitter, GitHub

それでは、良いお年を。2018年もキテレツをよろしくお願いいたします。